はじめは、たくさん泣きました。
なんとなく眠れなくなって、少し食欲もなくなりました。それでも朝は来るので、仕事には行きました。真面目に働いているあいだだけ、つらさを忘れていられた気がします。
もし今、あなたが同じような日々の中にいるなら、最初にひとつだけ。
この記事には、何かをおすすめするリンクはありません。立ち直る方法も、書いていません。書いているのは、立ち直れない今のあなたを、どう扱ってあげてほしいか、ということだけです。
この記事でお伝えしたいこと
- 別れたばかりで立ち直れないのは、弱いからではありません。心と体が、傷に反応しているだけです。
- まだ、立ち直らなくて大丈夫です。今は、傷ついた自分を受け止める時期です。
- 眠れない、食べられないは、よくあることです。ただし、2週間以上続く時は、専門の窓口や病院を頼ってください。
- 今日できることは、小さくていいのです。おいしいものをひと口。泣きたい時に泣く。横になる時間を取る。
- 「つらい時間も大切だった」と思える日は、いつか来ます。でも、今そう思う必要はありません。
失恋から立ち直れないのは、弱いからではありません
泣いて、眠れなくて、食べられなくて
別れを告げられてからの数週間、私は、泣いてばかりいました。
夜になっても眠れない。眠れても、すぐに目が覚める。ごはんを前にしても、お腹がすいているのかどうか、よく分からない。そんな日が続きました。
この記事を書くにあたって、Q&Aサイトに寄せられた失恋の相談を集めて、傾向を調べました。別れて間もない人の相談で、いちばん多かったのは、「食べられない」「眠れない」「何もできない」という、体の声でした。
あなただけではありません。傷ついた時、心より先に、体が反応します。
「立ち直らなきゃ」と焦っているあなたへ
「いつまでも泣いていてはいけない」「早く立ち直らなきゃ」。そう思っていませんか。
私も思っていました。でも今なら、あの頃の自分に、こう言いたいのです。
まずは、自分を大切に。傷ついたのだから、傷ついた自分を、まずは大切に受け止めてあげること。それが先です。
立ち直るのは、そのあとで大丈夫です。
なぜ、こんなにつらいのか
失ったのは、彼だけではないから
恋人と別れる時、私たちは、相手ひとりを失うわけではありません。
朝のおはよう。週末の予定。来年の話。彼といる時の、少しよく笑う自分。毎日の中にあった、たくさんのものを、いっぺんに失っています。
体が反応するのは、当たり前のことです。
別れを告げられた側は、受け止めるだけで精一杯だから
別れの瞬間、告げる側は、決めてからその場に来ています。告げられる側は、その日に初めて知ります。
受け止めるだけで精一杯で、受け止めきれない。それが、告げられた側の正直なところだと、私は思います。準備の時間が、ありませんでした。だから、あとから、いろいろな気持ちが押し寄せてきます。
自分を責める考えが、ぐるぐる回るから
「私がもっとうまくできていたら」。
同じ考えを繰り返すことを、心理学では「反すう」と呼びます。反すうは、気分の落ち込みを長引かせることが、多くの研究をまとめた論文で示されています(※1)。
つらさが続いているのは、あなたの反省が足りないからではありません。むしろ、責めすぎているからかもしれません。
失恋から立ち直るまで、どのくらいかかる?
決まった期間は、ありません。
私は、約1年かかりました。相談の中には、数か月の人も、何年もたっている人もいました。長さで、自分を責めなくて大丈夫です。
「いちばんつらい時期はいつか」と聞かれたら、私の場合は、はじめの数週間でした。泣いて、眠れなくて、食べられなかった時期です。ただ、これも人によって違います。少し落ち着いたあとに、波のように戻ってくることもあります。
「〇か月で立ち直れる」という話を目にすることがあるかもしれません。私は、そういう数字は書きません。あなたの時間は、あなたのものです。
今日、自分にしてあげられること
〔画像:2〕
ここに書くのは、立ち直る方法ではありません。傷ついた自分を、いたわる方法です。
私は、20代の頃から、自分をいたわることに気をつけてきました。だからあの時も、意識して、いくつかのことをしました。今からでも、できることばかりです。
おいしいものを、ひと口でいい
食欲がなくても、おいしいものを、ひと口。
たくさん食べなくていいのです。好きなもの、温かいもの、やわらかいもの。ゆっくり、味わって。体に「大丈夫だよ」と伝えるように。
つらかったら、泣く
泣くことは、悪いことではありません。
我慢して笑うより、泣きたい時に泣く方が、体は楽になります。私は、たくさん泣きました。それでよかったと、今は思っています。
頑張って、寝る時間を取る
眠れないかもしれません。それでも、横になる時間だけは、確保してください。
眠ろうと頑張らなくていいのです。布団に入って、目を閉じて、体を休める。それだけで、意味があります。
五感を満たす
〔画像:3〕
美容室に行く。スパやエステに行く。湯船にゆっくりつかる。好きな香りを嗅ぐ。やわらかいタオルに顔をうずめる。
お金をかけなくても、できることがあります。窓を開けて、風を感じる。温かい飲み物を、両手で包む。五感を満たすことは、傷ついた心を、体の側から温めることだと思っています。
いつもの毎日に、助けてもらう
私は、仕事で、つらさを紛らわせていた自分もいました。
「休んだ方がいい」と言われることもあるかもしれません。でも、いつもの動きが支えになることも、あります。朝起きて、支度をして、いつもの場所に行く。それだけで、一日が形になります。無理をしない範囲で、いつもの毎日に、助けてもらってください。
信頼できる人と、お茶をする
改まった相談でなくて、いいのです。
私は、いつもお世話になっている女性と、お茶をしながら、話を聞いてもらっていました。気軽にお茶をする感じで。それが、どれだけ支えになったか分かりません。
もし、そういう人が思い浮かぶなら、お茶に誘ってみてください。話さなくても、隣に誰かがいるだけで、少し違います。
やらなくていいこと
「やってはいけないこと」と書くと、また自分を責めてしまいそうなので、「やらなくていいこと」と書きます。
- 立ち直ろうと、頑張らなくていい。 今は、その時期ではありません。
- 自分磨きを、急がなくていい。 傷が開いたまま走ると、もっと痛みます。
- 大きな決断を、今しなくていい。 引っ越し、転職、彼への連絡。落ち着いてから考えても、遅くありません。
- 「自分が悪かった」と、結論を出さなくていい。 別れには、ふたりの事情があります。今のあなたは、自分に厳しすぎる状態です。
彼への連絡や、SNSを見てしまうことについては、別の記事に書いています。今は、読まなくて大丈夫です。
つらさが強い時は、専門の窓口に相談してください
これだけは、丁寧にお伝えさせてください。
次のような状態が続いている時は、「失恋くらいで」と思わずに、専門の窓口を頼ってください。
- 眠れない、食べられない状態が、2週間以上続いている
- 体重が、目に見えて減ってきた
- 仕事や家事が、まったく手につかない
- 消えてしまいたい、死んでしまいたいという気持ちがある
電話で相談できる窓口(厚生労働省「まもろうよ こころ」より。2026年9月21日に確認)
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・無料)
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(受付時間は都道府県によって異なります)
- #いのちSOS:0120-061-338(24時間・無料)
心療内科や精神科を受診することも、特別なことではありません。失恋で病院に行ってもいいのです。「失恋 立ち直れない 鬱」と検索している方へ。その検索をしたこと自体が、もう十分に、助けを求めるサインです。どうか、ひとりで抱えないでください。
失恋から立ち直れない時の、よくある質問
Q. 失恋から立ち直れるまで、どれくらいかかりますか?
決まった期間はありません。私は約1年かかりました。数か月の人も、何年もの人もいます。長さで自分を責める必要はありません。
Q. 失恋で、いちばんつらい時期はいつですか?
私の場合は、はじめの数週間でした。ただ、人によって違います。少し落ち着いたあとに、波のように戻ってくることもあります。
Q. 失恋した時に、やってはいけないことはありますか?
「やってはいけない」より、「やらなくていい」ことがあります。立ち直ろうと頑張ること、自分磨きを急ぐこと、大きな決断を今すること、自分が悪かったと結論を出すこと。今は、傷ついた自分をいたわる時期です。
Q. 何もする気になれません。それでもいいですか?
いいと思います。何もできない日があって、当たり前です。おいしいものをひと口、横になる。それだけできたら、今日は十分です。
おわりに
〔画像:4〕
つらい時間も、大切です。
その時はつらくて、そんなふうには思えません。私も、思えませんでした。でも、そう思える瞬間が、いつか来ます。それまでは、この時間を、自分をいたわる時間として、大切にしてほしいと思っています。
傷ついたのだから、傷ついた自分を、まずは大切に受け止めてあげてください。
まずは。
少し落ち着いてきた頃に、読んでほしい記事があります。元彼を忘れられない夜のことを、書きました。→ 元彼を忘れられないのは、おかしなことじゃない
参考にした研究
※1 Nolen-Hoeksema, S., Wisco, B. E., & Lyubomirsky, S. (2008). Rethinking Rumination. Perspectives on Psychological Science, 3(5), 400–424.
